フルマラソンを走る際、多くのランナーが直面するのが「30kmの壁」です。レースの30km地点を過ぎたあたりから、突然ペースが落ちたり、脚が動かなくなったりする現象を指します。特に初心者ランナーにとって、この壁を乗り越えることは完走や目標タイム達成の鍵となります。
この記事では、「30kmの壁」が起こる原因と、それを克服するための具体的な対策について解説します。


目次
30kmの壁とは?
「30kmの壁」とは、フルマラソン(42.195km)のレース中、特に30km前後で突然ペースが落ちたり、脚が動かなくなったりする現象のことを指します。多くのランナーが経験し、「急に体が重くなる」「脚が前に出ない」「気持ちが折れそうになる」と感じるポイントです。
この現象が起こる主な原因は以下の3つです。
エネルギー切れ(グリコーゲンの枯渇)
- マラソンでは主に体内の「グリコーゲン(糖質)」をエネルギー源として使用します。
- しかし、体内に蓄えられるグリコーゲンの量は限られており、約90~120分で枯渇すると言われています。
- グリコーゲンがなくなると、脂肪燃焼へと切り替わりますが、エネルギー変換効率が低いため、急激にペースが落ちやすいです。
筋肉の疲労とダメージの蓄積
- 30kmを過ぎると、筋肉の疲労が蓄積し、脚が動かなくなりやすくなります。
- 特に大腿四頭筋(太もも前側)、ハムストリングス(太もも裏)、ふくらはぎの筋肉にダメージが集中。
- 筋持久力が不足していると、30km以降に脚がつったり、思うように動かなくなったりすることがあります。
メンタル的な要因(集中力と気力の低下)
- 30km地点に到達すると、「あと12kmもあるのか…」という心理的な負担が増加。
- 体の疲労と相まって、「もう無理かも」「歩きたい」などネガティブな思考が生まれやすいです。
- メンタルが崩れるとペース維持が難しくなり、歩いたり立ち止まったりするランナーが増えるのもこの地点です。
「30kmの壁」は、エネルギー切れ・筋肉疲労・メンタルの影響が重なって発生する現象です。ただし、適切な対策を取ることで乗り越えることは十分可能です!


30kmの壁を乗り越えるための対策
長い距離の練習を積む
- 週1回のロング走(25~30km) を取り入れ、長距離を走る体に慣れさせる。
- 30km走は必須ではないが、25km程度のペース走を何度か行う と効果的。
エネルギー補給を適切に行う
- フルマラソンではエネルギー不足を防ぐために、15~20km地点から補給を開始。
- ジェルやバナナ、スポーツドリンクなどを活用し、エネルギー切れを回避。
筋持久力を強化する
- ペース走やビルドアップ走で脚を鍛え、後半に余力を残す。
- 坂道トレーニングやインターバル走を取り入れ、筋肉の耐久力を向上させる。
ペース配分を守る
- 前半のオーバーペースは30kmの壁を引き起こす要因 なので、抑えめのペースを意識。
- 最初の5kmは少し余裕を持ち、後半に力を残すイーブンペースが理想。
メンタルの準備をしておく
- 「30kmの壁は来る」と想定し、慌てず対処することが重要。
- ポジティブな声掛け(セルフトーク)で乗り越える意識を持つ。

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まとめ
30kmの壁を乗り越えるためには、
✅ 長距離走の練習を積む
✅ 適切なエネルギー補給をする
✅ 筋持久力を鍛える
✅ 前半はペースを抑える
✅ メンタルの準備をしておく
これらの対策をしっかり行えば、初心者でもマラソン後半にしっかり走れるようになります。
「30kmの壁」は誰にでも訪れるものですが、適切な準備と戦略で乗り越えられるものです。しっかりと練習を積み、自信を持ってマラソン本番に挑みましょう!


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