坂道トレーニングは、マラソンの完走を目指すランナーにとって非常に有効な練習方法です。特に 筋持久力の向上、心肺機能の強化、フォームの改善 などのメリットがあります。ここでは、坂道トレーニングの具体的な方法と、その効果について詳しく解説します。

坂道トレーニングのメリット
① 筋持久力が向上する
坂を上る際は、平地よりも 太もも(大腿四頭筋)、お尻(大臀筋)、ふくらはぎ(下腿三頭筋) など、ランニングで重要な筋肉が強化されます。特に 後半に足が止まりにくくなる ため、30km以降の粘りにつながります。
② 心肺機能が向上する
坂道を走ることで 呼吸が深くなり、酸素を取り込む能力(VO₂max)が向上 します。これにより、フルマラソンで後半も呼吸が乱れにくくなり、一定のペースを維持しやすくなります。
③ フォームが改善される
坂を走ると自然に 前傾姿勢 になり、足をしっかり引き上げる動きが強調されます。これにより 着地位置が適正化し、ストライドがスムーズになる ため、効率の良いフォームが身につきます。
④ ペース変化に強くなる
マラソンのコースには アップダウン があることが多く、坂道でのペースコントロールが重要になります。坂道トレーニングを行うことで、 登りで無駄に疲れず、下りで効率よくスピードを出す感覚 が養われます。


効果的な坂道トレーニングの方法
1. 短い坂道ダッシュ(スプリント)
▶ 方法
- 50~100mほどの 傾斜のある坂道 で行う。
- 8割の力 で駆け上がる(全力ではなく、フォームを意識)。
- ダッシュの後はゆっくり坂を下って回復 し、5~10本繰り返す。
▶ 効果
- 短時間で 瞬発力と心肺機能 を鍛えられる。
- ピッチ(足の回転)が速くなり、スピードアップにつながる。
- フォーム改善 に役立つ(自然と前傾姿勢になる)。
2. 長い坂道ラン(持続走)
▶ 方法
- 200m~500mの なだらかな坂 を一定のペースで走る。
- 心拍を上げすぎないよう 余裕のあるペース(LTペース) で行う。
- 3~5本を目安に 行い、ゆっくりジョグで回復しながら繰り返す。
▶ 効果
- フルマラソン後半の粘り に必要な筋持久力が向上する。
- 心肺機能を鍛え、長時間のランニングに強くなる。
- 坂道耐性がつき、アップダウンのあるコースで有利。
3. 下り坂を使ったトレーニング
▶ 方法
- 軽く前傾姿勢を取りながら、リラックスして走る(ブレーキをかけすぎない)。
- ピッチを意識し、脚の回転数を上げる。
- 100~200mの下り坂を 3~5本 取り入れる。
▶ 効果
- 下りでのスピードコントロール が上達し、ペース変化に対応しやすくなる。
- 着地衝撃に慣れ、下り坂で足を痛めにくくなる。
- ピッチ走法の強化につながる。
4. 坂道を取り入れたLSD(ロングスローディスタンス)
▶ 方法
- ゆるやかなアップダウンのあるコースを90~120分かけてゆっくり走る。
- 心拍数を抑えながら、一定ペースで走り続ける。
▶ 効果
- マラソンに必要なスタミナと脚づくり に最適。
- 坂道耐性がつき、後半の粘り強さが身につく。
- 脂肪燃焼能力が高まり、エネルギー切れを防ぐ。


まとめ
坂道トレーニングを取り入れることで、 筋持久力の向上・心肺機能の強化・フォーム改善 など、マラソン完走に必要な能力を効率よく鍛えられます。
特に初心者は、以下のポイントを意識すると効果的です。
✅ 短い坂道で スプリント を行い、スピードアップ
✅ 長めの坂道で 持続走 を行い、筋持久力を強化
✅ 下り坂トレーニング でスムーズな走りを身につける
✅ アップダウンのあるコースでLSD を行い、マラソン後半に強くなる
坂道をうまく活用し、マラソン完走を目指しましょう!


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